スポーツインストラクターは将来性がある?AIに代替されやすい業務と残りやすい業務
2025.05.28

お客様の健康や美容をサポートするスポーツインストラクターは、やりがいのある仕事です。とくに、体を動かすことが好きな方から人気を集めています。
一方で「将来性はある仕事?」や「AIに取って代わられない?」など、先のことを考えて、不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、スポーツインストラクターを目指す上で知っておきたい将来性に焦点を当てて、今後の需要やAIに仕事を奪われないためのポイントを解説します。
目次
スポーツインストラクターの将来性がある理由
結論からお伝えすると、スポーツインストラクターは将来的にもニーズは高い職種といえます。まずは、その理由を3つの項目にわけて見ていきましょう。
フィットネス市場は成長傾向
フィットネス市場は、日本においても急速に成長し続けています。コロナ禍の影響を受け、2020年に一度は落ち込みを見せたものの、コロナの収束に伴い徐々に回復しており、今後は再び成長すると考えられています。
とくに、高齢化に伴い、シニア向けの運動プログラムの需要は増加中です。また、テクノロジーの発達により、オンラインフィットネスや、アプリを使った自宅トレーニングなどのサービスが登場し、新たな市場も誕生しています。
その他、スポーツインストラクター(パーソナルトレーナー)と1対1でトレーニングを受けたい方に向けた「パーソナルジム」も、昔に比べて増えている傾向にあります。
このように、フィットネス市場は時代ごとに変化を見せているものの、将来的にも需要そのものがなくなる可能性は低いといえるでしょう。つまり、スポーツインストラクターにとっても、活躍できる場が消えてなくなることはありません。
活躍できる場が広がっている
スポーツインストラクターが活躍できる場と聞くと「スポーツジム・フィットネスクラブ」を思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし、実際には、他にもさまざまな場面で活躍できます。例を一覧にまとめました。
地域社会での活動 | 地域主催のイベントなどに参加する |
---|---|
オンラインサービス | 自宅トレーニングやレッスンを提供する |
介護系施設 | 運動プログラムやリハビリを通して高齢者をサポートする |
旅行との組み合わせ | フィットネスをテーマにしたツアーでの活動 |
企業への協力 | 福利厚生として提供されている健康促進プログラムに参加する |
このように、スポーツインストラクターの指導技術や知識などの専門性が求められる場面は、多様化しながら、広がりを見せています。
とくに、高齢化が進む日本においては、介護施設などでおこなう運動プログラムやリハビリテーションの需要は、将来的にもさらに高まるといえるでしょう。
関連記事:「スポーツインストラクターの給料はいくら?収入を上げるポイントも解説」
病気にならないための予防意識がますます高まる
近年、健康志向の高まりとともに「病気を予防するための健康づくり」という点に注目が集まっています。
これまでの場合は、「病気になったら、病院に行って治療をするもの」という考えが主流でした。しかし、今後は「病気を未然に防ぐ」といった意識がますます広がっていく可能性が高いと言われています。
実際に、厚生労働省が推進している「健康日本21」の総論にも、生活習慣病の予防についての重要性と課題が記載されています。
ここでポイントとなるのは「食事」や「睡眠」、そして「運動」です。とはいえ「運動をしなくてはいけない」と理解はしていても「一人ではどのようにトレーニングをしてよいのかわからない」と困る方もいらっしゃるでしょう。
そのような方にとって、スポーツジムや、スポーツインストラクターは心強い存在です。
上記の背景があることから、フィットネス業界ならびにスポーツインストラクターの需要は、これからもさらに高まっていくといえるでしょう。
参照データ:「厚生労働省|健康日本21(総論)」
スポーツインストラクターはAI(人工知能)に代替される仕事?

AI(人工知能)の進化にともない、さまざまな業務の自動化が進んでいます。もちろん、フィットネス業界においても例外ではありません。スポーツジムによっては、すでにAIを活用したサービスを提供しているところもあります。
しかし、すべての業務が今後AIに代替されるかといえば、そうとも言い切れません。この項目では、AIに代替されやすい業務とされにくい業務について解説します。
AIに代替されやすい業務
まずは、AIに代替されやすいスポーツインストラクターの業務をご紹介します。
トレーニングメニューの作成
トレーニングメニューの作成は、すでにAIがおこなうことのできる業務のひとつです。これまでは、お客様の情報をスポーツインストラクターが把握した上で、必要なトレーニング・セット数・おもりの重さなどを調整する方法が一般的でした。
しかし、これからは、AIが最新のスポーツ科学や医療データを活用しながら、一人ひとりに向けたオリジナルのメニューを作成できるようになります。そのため、スポーツトレーナーがゼロからお客様のトレーニングメニューを考えることは、今後ますます少なくなっていくと考えられるでしょう。
トレーニングのフォームチェック・フィードバック
トレーニング中に適切なフォームで動けているかどうかは、運動を効果的におこなう上で欠かせない要素のひとつです。現時点では、スポーツインストラクターが動きをチェックし、フィードバックをする流れが一般的といえるでしょう。
しかし、このような業務も、将来的にはAIがおこなってくれる可能性があります。
例えば、AI搭載のカメラでトレーニング中の様子を撮影した後、AIからトレーニングフォームの指導やアドバイスが受けられるなど。すでに、AIがフォームの修正をしてくれるサービス自体はリリースされているため、将来的にはさらに広がっていくかもしれません。
AIに代替されにくい業務
AIに代替されにくい業務として「お客様とのコミュニケーション」や「リハビリ・機能改善のトレーニング」が挙げられます。
お客様とのコミュニケーション
AIに代替されにくい業務のひとつが、対面でのコミュニケーションです。
そもそも、AIがトレーニングメニューの作成や、トレーニングフォームの指導をしてくれるからといって、すべての人がAIだけを活用して運動するとは限りません。その理由は、人間ならではのコミュニケーションに欠けてしまうからです。
例えば「トレーニングをしている人のモチベーションを上げるための声掛け」や「表情や雰囲気から相手の心理状況を読み取り適切なアドバイスをする」などは、AIにとっては難しいことだと考えられます。
このような、AIが苦手とするコミュニケーションがとれることは、これからのスポーツインストラクターが求められる要素のひとつともいえるでしょう。
リハビリ・機能改善トレーニング
リハビリや機能改善を目的としたトレーニングは、AIに代替されにくい業務です。
その理由としては、以下が挙げられます。
- 一般的なトレーニングに比べて、細かい調整や配慮が求められる
- そばでトレーニングの補助ができない
- お客様の体に触れて可動域や状態を確かめることができない
- お客様の痛みや不安に寄り添うことが難しい
まず、一人ひとりの体の状態や怪我の回復具合には、個人差があります。そのため、トレーニング時には、お客様の状態や様子をよく観察した上での、細かな調整が必要となります。しかし、現状のAIは現場で臨機応変な微調整をすることは苦手です。
また、直接体に触れてそのときの状態を確かめたり、トレーニングの補助をしたりすることはできません。感情を持っているわけではないため、人間の痛みや不安に寄り添うことも難しいでしょう。
このような点から、まだまだAIではなく人間が求められています。人間がAIを駆使して機能訓練の質を高めることはあっても、リハビリや機能改善のトレーニングそのものがまるごとAIに代替される可能性は、今後も低いといえるでしょう。
スポーツインストラクターがAI時代に生き残るポイント

スポーツインストラクターの業務の一部は、すでにAI(人工知能)に代替されつつあります。このようなAI時代において、生き残るためのポイントを2点ご紹介します。
コミュニケーション力を鍛える
AIがさまざまな仕事を代替する時代だからこそ、コミュニケーション力を磨くことは、スポーツインストラクターにとっても大切な要素です。例えば、以下のポイントを押さえることで、お客様との信頼関係を築きやすくなるでしょう。
- 話を遮らず、最後までしっかりと聞く
- 相手の様子に合わせて、柔軟に会話のキャッチボールをする
- 表情やジェスチャーなどの非言語コミュニケーションを意識する
- 一人ひとりに合わせてわかりやすく説明するための語彙力を身につける
どれも、人間ならではの温かな関係性づくりに欠かせないことです。
とはいえ、誰もが最初から完璧なコミュニケーションがとれるわけではありません。お客様と接するときに意識しながら、少しずつ能力を高めていきましょう。
AI(人工知能)は上手く活用する
AIを「よくわからない」といって遠ざけるのではなく上手く活用することも、今後のスポーツインストラクターにとって欠かせないポイントのひとつです。
というのも、AIはデータ分析やメニュー作成において役立ちます。最新の情報を取り入れつつ、よりパーソナライズされたトレーニングメニューを作ることも可能です。
このような、AIが作った質の高いメニューをもとに、スポーツインストラクターがお客様とコミュニケーションをとりながらトレーニングをおこなうことで、より満足感の高いサービスを提供できるようになります。
リハビリインストラクターの将来性について

スポーツインストラクターの中には、リハビリインストラクターと呼ばれる職種があります。「身体機能の回復や、維持を目的としたトレーニング」にかかわる仕事で、近年ますます需要が高まりつつあります。
この項目では、リハビリインストラクターの仕事内容と将来性を解説します。
リハビリインストラクターの仕事内容
リハビリインストラクターは、怪我や病気、加齢などにより、以前のように体を動かせなくなった方をサポートする仕事です。具体的には、医師や理学療法士と協力しながら、運動機能を回復させるためのトレーニングメニューを提供します。
お客様の中には、体が思うように動かないことにより、不安や焦りを感じていたり、自信を失くしたりしている方もいらっしゃいます。そのため、ただ運動指導をおこなうだけでなく、優しく寄り添いながらサポートすることが大切です。
ときには「前よりも長く歩けるようになった」「腕を上げやすくなった」など、お客様の体の変化を一緒に喜べることもあります。
まさに「運動×人のサポート」が好きな方に向いている仕事といえるでしょう。
リハビリインストラクターは将来性がある?
結論からお伝えすると、リハビリインストラクターは将来性のある仕事です。その理由は二点あります。
ひとつ目は、すでにお伝えした通り、リハビリや機能改善の分野が、AIに代替されにくいからです。AIが進化しても、仕事そのものがなくなる可能性は低いでしょう。
そして二つ目は、国が介護予防に力を入れる方向へと進んでいるからです。この背景のひとつとしては、高齢化が進み、医療・介護費の負担が増大していることが挙げられます。介護が必要となる人を減らすことで、介護保険や医療保険の財政負担を軽減させたいという狙いがあり、すでにさまざまな取り組みがおこなわれています。
このように、介護予防に対する国の動きから見ても、リハビリや機能改善に関連する職種のニーズは今後ますます高くなると考えられます。
参照データ:「経済産業省|新しい健康社会の実現」
元氣ジムではリハビリインストラクターを募集しています

元氣ジムは、運動機能の改善・維持を目的としたリハビリを通して、高齢者をサポートしています。「体を動かす仕事で人の役に立ちたい」「思いやりの心を持って働きたい」そんな、一人ひとりの想いを叶えられる職場です。
入社後は研修制度が整っているため、未経験者・無資格の方でも安心して活躍できます。私たちと一緒に「高齢者を元氣に、そして笑顔に」しませんか?
ご興味のある方はぜひ、元氣ジムの「リハビリインストラクター職(運動指導員)」にご応募ください。